Nippon Gasesは、日本酸素ホールディングスグループの大陽日酸の協力のもと,業務提携を結んでいるスペインのSarralle社の協力と共に、製鋼工程でグリーン水素を使用できる最先端技術の開発に成功しました。
具体的には、これまで展開していた取鍋予熱用の酸素燃焼システム「Innova-Jet」を水素用に改良して、グリーン水素のみで稼働する世界初の取鍋予熱装置を開発し、CO2排出量ゼロを可能にしました。今回の成果は、他のイノベーションと技術とともに、鉄鋼業界におけるカーボンニュートラルに向けて重要な一歩を踏み出すことを可能にするものと考えています。
鉄鋼業界は、従来からエネルギー集約型の市場であり、CO2排出量が多い業界で、大気中へのCO2総排出量の9%を占めると言われています。このため、鉄鋼業界におけるカーボンニュートラル実現のためには、技術革新が必要となります。
今回開発した取鍋予熱装置は、グリーン水素をエネルギー源にする画期的なもので、従来の天然ガス-空気燃焼バーナではなく、グリーン水素を主燃料とする最新鋭の酸素バーナを使用することで、グリーン水素の燃焼時に発生するのは水蒸気のみとなり、CO2の排出をゼロにすることができます。カーボンニュートラルの実現に向け、今回開発した新しい水素・酸素バーナが、従来の取鍋予熱装置の性能を再現しつつ、CO2排出量ゼロで運転できることを実証しました。
Nippon Gasesは、グリーン水素と独自のバーナ技術を提供し、Sarralle社が当設備の導入を担っていきます。
詳しくは、sarralle.comとnippongases.comをご覧ください。
Sarralle社について
Sarralle社は、1965年にスペインのAzpeitiaに設立された企業グループで、環境、エネルギー、鉄鋼分野のエンジニアリング業におけるリーディングカンパニーです。同社は、設計・エンジニアリング・製造・据付業務を担っており、世界9ヵ国以上で 700人以上の高い技術を持った従業員が幅広く活躍しています。5つのビジネスライン(金属加工、圧延機、加工ライン、環境・エネルギー、作業場・在庫管理システム)に沿って、これらの分野の機器や設備の設計、エンジニアリング、製造、組立、試運転におけるソリューションを世界中で提供しています。